結論から言えば、週1回のリハビリでも十分に意味があります。ただし、その「意味」をどこに置くかによって評価は大きく変わります。たとえば、週1回のリハビリは、高い頻度の継続トレーニングを目的としたものではありません。しかし、専門職が定期的に訪問し、状態を確認し、必要な課題を調整するという点は、回数に関わらず非常に大きな価値を持っています。
リハビリの頻度をどう設定するかは、在宅生活を支えるうえで、とても悩ましいテーマです。「週1回のリハビリって、本当に意味があるの？」という質問は、ご家族からもご利用者本人からもよく聞かれます。
私たちケアマネにとっても、利用者の状態や希望、家族の負担、利用枠などを総合的に考えながら説明する場面が多くあります。
週1回の訪問でも、「状態の変化を見逃さない」という大きな安心感があります。
たとえ1回でも、姿勢・歩行・可動域・痛み・生活動作などを専門的に評価してもらえることで、ご本人の不安軽減、家族の安心につながります。
「前回より立ち上がりが軽いですね」「少し筋力が落ちているので、無理なく補う練習をしましょう」などの声かけは、モチベーションへの支えにもなります。
訪問のたびに「この1週間をどう過ごすか？」という小さな目標を設定することで、生活リズムが整い、“次の1回に向けた意識”が生まれます。
これは非常に重要な効果であり、継続意欲・生活意欲を引き上げる力があります。
もちろん、すべての方に週1回で十分というわけではありません。
筋力低下が進んでいる方、麻痺がある方、短期間で改善が必要な方、進行性疾患の方などは、より高頻度のリハビリや他サービスが必要です。
ケアマネとしての適切な見極めは欠かせません。
同じ週1回でも、成果は以下の要素で大きく変わります。
身体機能だけでなく、「生活目線」でのアセスメントが不可欠です。
日常の中に小さなリハビリ要素を取り入れることで、週1回でも十分な効果が出やすくなります。
例）
こうした「無理のない活動支援」は積み重なることで大きな成果を生みます。
リハビリ職、ヘルパー、看護師、家族などが目標を共有し、それぞれが役割を持つことで、週1回のリハビリが“孤立した1回”ではなく“チームで支える1回”になります。
ご家族の不安にも、「支援体制が整っている」ことを示すことで、説明しやすくなります。
週1回という限られた機会でも、ご本人の生活に寄り添い、日常の中でのリハビリを積み重ねていけば、“できること”は着実に広がります。
ケアマネとして、その道筋を整え、ご本人とご家族が安心して取り組める環境をつくっていくことこそ、私たちの役割であり支援の価値です。
