
あみ訪問看護ステーションです。
私たちは日々、ご利用者様に寄り添うケアの質を追求し「絶対的な安心」をお届けすることを使命としています。
しかし、どれだけ現場の看護師が素晴らしいケアを提供していても、その努力を一瞬で台無しにしかねない最大の地雷が訪問看護の運営には潜んでいます。
それが、「レセプト(診療報酬・介護報酬)の請求加算における解釈ミス」です。
インターネットで検索すれば、それらしい算定要件はいくらでも出てきます。
最近では生成AIに聞けば、もっともらしい答えが返ってくる時代です。
しかし、そこには数年前の古い情報が混ざっていたり現場のリアルな運用ルール(ローカルルール)が反映されていなかったりという罠が溢れています。
正直に告白します。
「うちは完璧に請求できている」なんて、とても口が裂けても言えません。
実際、あみ訪問看護ステーションの現場の看護師やバックオフィスを支える事務局でも「あれ?これってどっちだっけ…?」と頭を抱えたり、うっかり解釈を間違えそうになったりすることが今でもあります。
今回は自戒の念を強く強く込めながら、訪問看護ステーションが最も陥りやすく、一歩間違えれば「全額返還」や「運営停止」という致命傷になりかねない【7つの魔の加算】について、私たちのリアルな格闘を交えて解説します。
同業者の皆様も、ぜひ明日は我が身としてお読みください。
すべての訪問看護の根幹である「訪問看護指示書」
この指示書と、私たちが算定している加算が1ミリでもズレていたらその請求は不法投獄ならぬ「不正請求」になります。
ご利用者様の身体にバルーンカテーテルが入っていようが、在宅酸素の機械が置いてあろうが、主治医の指示書に「その管理が必要である」という旨の記載がなければ私たちは特別管理加算を算定できません。
さらに最悪なのは「指示期間のタイムラグ」です。
指示書の有効期間が切れていることに気づかず、「いつものことだから」と訪問を続け、1日でも指示のない空白の期間が発生した場合、加算どころか「その日の訪問看護サービス料自体」が請求できなくなります。
リハビリの指示(週に何回行くか)に関しても同様で指示書に書かれた回数以上の訪問はオーバーとなり算定できません。
あみ訪問看護ステーションでは指示書が届いた瞬間、事務局と管理者が目を皿のようにして「病名・期間・処置内容・回数」をクロスチェックしています。
ご利用者様の急変時に主治医の指示を受けて緊急で駆けつける「緊急訪問看護加算(医療保険)」
現場はバタバタの極みですが、請求時にはさらに冷や汗をかくポイントがあります。
よくあるミスが「定期訪問で1回行った同じ日に、夜間急変してもう1回行ったから緊急訪問看護加算をつける」というケースです。
実は、医療保険において緊急訪問看護加算は「計画にない緊急の訪問」に対してつくものですが、同じ日にすでに定期訪問(計画内の訪問)を行っている場合、2回目の緊急訪問に対してそのままストレートに算定できないルールがあります
(※特定の指示書き換えや算定の組み合わせに厳格な制限があります)
「夜中に叩き起こされて頑張って行ったんだから取れるはず!」という看護師の熱意と「いや、今日の昼に定期訪問に行ってるから、このままだとエラーになります!」という事務局の悲鳴。
あみ訪問看護ステーションでも、この「同日2回目」の算定ルールの複雑さには何度も泣かされました。事後のカルテと指示書の整合性を血眼になって確認する仕組みが不可欠です。
医療的ケアが必要な方を支える特別管理加算ですが、ここには名前からして紛らわしい罠があります。
それが「在宅患者訪問点滴注射管理料」です。
名前に「注射」と入っているため、看護師が「昨日は指示に従って静脈内注射(あるいは皮下注射)を打ってきたから特別管理加算(Ⅱ)が取れるよね」と勘違いしてしまう事例が後を絶ちません。
しかし、対象となるのはあくまで「点滴(持続的な注入)」のみです。
さらに恐ろしいのが「週3日以上の実施カウント」です。
主治医からせっかく点滴の指示書が出ても、ご利用者様の状態が奇跡的に良くなり結果的にその週は「2日間しか点滴をしなかった」というケース。
これは大変喜ばしいことですが、ルール上は「週3回未満」となるため特別管理加算は請求できません。
当ステーションの事務局でも「指示書が出ている=加算が取れる」と思い込みそうになったヒヤリハットがあります。
現在では、点滴指示が出たご利用者様については月末に必ず事務局から現場看護師へ「今月、本当に週3日以上やりましたか?」と1件ずつ確認のコミュニケーションを取る仕組みを義務化しています。
「別表第7・8(特別管理が必要な方)の利用者さんだから安全のために2人で訪問した。だから複数名加算を取る」
これも、昔から訪問看護に携わっているベテランほど陥りやすい思い込みです。
対象のご利用者様であっても「なぜその日に、2人で行かなければならなかったのか」という医療的根拠(理由)が看護記録に1回ずつ具体的に書かれていなければ監査で一発アウト(返還)になります。
ただ「別表7だから」という理由は絶対に通用しません。
「医療処置が重なり、ADLの全解除による安全確保が必要なため2名で訪問し処置を実施」といった生々しい現場の理由が必要です。
ちなみに、あみ訪問看護ステーションでも「新しいスタッフが入ったから、教育のために先輩が同行した。これは複数名で取れる?」という質問が過去に出たことがあります。
結論は100%不可。
事業所都合の教育同行は、ただのボランティア(持ち出し)です。
理由の書き方一つで加算が消える怖さを私たちは身に沁みて理解しています。
「夜間にオンコールがあって大変な思いをして訪問したんだから当然夜間加算でしょ!」
現場の看護師からすれば当然の主張です。
しかし、請求業務のルールは驚くほど冷酷です。
よくある解釈ミスが、「滞在時間の長さや割合」で考えてしまうこと。
例えば、17時45分に訪問を開始し処置が長引いて終わったのが18時30分だったとしたら18時以降の「夜間帯」に45分間も滞在しているため、なんとなく夜間加算が取れそうな気がしてしまいますよね。
しかし、正解は「算定不可」です。
加算が取れるかどうかは、実際の「訪問開始時間(イン時間)」の1点のみで決まります。
17時45分はまだ日中帯(予定・実績ともに)ですから、どんなに夜遅くまで頑張っても夜間加算は1円も発生しません。
逆に、早朝5時50分(深夜帯)に入って6時30分に終わった場合は滞在の大部分が早朝であっても「深夜加算」が算定できます。
あみ訪問看護ステーションでも「昨日遅くまで頑張ったから!」という現場の熱い気持ちと事務局の「でもイン時間が……」という冷静な突っ込みがぶつかることがありました。
実績時間の1分のズレが命取りになるからこそ、スマートフォンの記録入力は1分単位で正確に残すよう全員で徹底的に見直しています。
退院直後の在宅療養をスムーズに始めるための大切な加算ですが、ここにも事務局と看護師をパニックに陥れる罠があります。
一番多いミスは、「退院『後』に、病院の主治医やMSW(メディカル・ソーシャル・ワーカー)と電話や対面でバタバタと情報共有したから算定する」という勘違いです。
この加算は、あくまで「退院前(入院中)」に病院の医療スタッフと訪問看護師が「共同して指導・面談を行ったこと」が絶対条件です。
退院した後にどれだけ手厚くカンファレンスをしても、この加算は1点も取れません。
さらに「病院のカンファレンス室に集まって話したからOK」と思ってカルテを見たら、実はその日、ご利用者様は一時外泊で自宅に帰っていた…なんていうケースも。
ご利用者様が入院中の扱いで病院にいる(またはオンラインで同時参加している)状態でなければ成立しないため、病院側の「算定日」とこちらの「指導日」がズレて監査で指摘されるというのは訪問看護あるあるです。
あみ訪問看護ステーションでも退院指導に行く前に必ず「今日、患者さんは病室におられますか?」と病院側に確認するステップを踏むようになりました。
最も多くのステーションが算定している王道の加算ですが、実は運営指導(監査)で最も突っ込まれやすいポイントです。
「うちは携帯電話を持たせて24時間繋がる体制にしているから問題ない」
そう胡坐をかいているステーションは危険です。
今の法改正の基準では、ただ電話が繋がるだけでなく「看護師の働き方や休憩のルールが守られているか」「それをスタッフに提示しているか」という内部の体制構築が前提となっています。
さらに、ご利用者様やご家族に対して「緊急連絡先や注意事項を明記した『書面』を渡し、しっかり説明したという明確な証拠」が必要です。
あみ訪問看護ステーションでも、重要事項説明書とは別に「何時から何時はここに掛け直してね」という専用の案内用紙を配っていますが「お渡しして口頭で説明した」だけでは、第三者(監査官)が来たときに証明できません。
そのため、私たちは「初回訪問時の看護記録Ⅱに『緊急連絡先についての同意および文書をお渡しした』と必ず一文字も漏らさず記載する」というルールを鉄の掟にしました。
「やったつもり」を無くし、すべてを文字の証拠として残す。これがステーションを守る防盾になります。
私たちは間違いを隠すようなステーションにはなりたくありません。
実際に間違えそうになった経験や冷や汗をかいた過去があるからこそ、それを仕組みで解決し、どこよりもクリーンで、どこよりも正しい運営を行う強さを持っています。
加算の解釈に迷ったとき、私たちはネットの噂やAIの回答を鵜呑みにはしません。
分厚い解釈本をひっくり返し、それでも分からなければ管轄の厚生局や自治体へ直接電話し「こういう事例なのですが、あみ訪問看護ステーションの解釈で合っていますか?」と、しつこいくらいに確認を取っています。
その愚直さこそが、ご利用者様と地域の医療機関様に対する誠実さだと信じているからです。
現場の「最高のケア」と事務局の「最高の請求・法令遵守」
この両輪が揃って初めて私たちは「絶対につぶれない、地域に必要とされ続けるステーション」であれるのです。