
千葉市若葉区のあみ訪問看護ステーションです。
私たちは日々、住み慣れたご自宅で安心して療養生活を送れるよう看護師やセラピスト(理学療法士)が皆様のお宅を訪問し心身のケアをサポートしています。
皆さんは「在宅医療」や「介護保険」を使おうと思ったとき、まずどこに連絡し、どのような順番でサービスが始まるかをご存知でしょうか?
「名前は聞いたことがあるけれど仕組みはよくわからない」という方が大多数だと思います。
今回は一般の方には少し複雑に見える「医療・介護サービスが自宅に届くまでの流れ」を実際のエピソードを交えながら分かりやすくお話しします。
以前、あみ訪問看護ステーションの代表である私(野﨑)が、地域の窓口からのご紹介で新しくサービスを検討されているご自宅へ伺ったときのことです。
お話をお聞きし体調の確認や今後のご相談を終えた際、そのご利用者様からこんなお言葉をいただきました。
「今日はわざわざこんなに親切な人が個人的に助けに来てくれて本当にありがとう」
とても温かく嬉しいお言葉だったのですが同時にお伝えしなければならない大切なことに気づかされました。
そのご利用者様は、私のことを「地域のボランティアや親切な個人がたまたまお世話をしにきてくれた」と感じていらっしゃったのです。
実は、訪問看護の会社がそのお宅へ伺うことができたのは偶然ではありません。
裏側でいくつもの専門職が連絡を取り合い、ご利用者様を支えるための公的なバトンリレーがしっかりと繋がっていたからなのです。
このリレーの中心にいるのがあんしんケアセンターであり、ケアマネジャーという存在です。
ここで少し私の自己紹介をさせてください。
実は私(野﨑)は看護師ではなく、ケアマネジャーの資格を持って訪問看護ステーションを運営(代表)しています。
だからこそ、「ケアマネジャーがどういう存在なのか」「サービスがどうやって自宅に届くのか」という仕組みが一般の方に見えにくくなっている実態に、より強く気がつくことができました。
医療や介護のサービスをスムーズに受けるためには、主に3つの専門機関(登場人物)が連携しています。
それぞれの役割を、ご自宅にサービスが届くまでの順番通りに整理してみましょう。
介護や生活のことで困ったとき、最初に相談する「総合窓口」です。
自治体から委託された公的な機関で高齢者の生活全般を支えるために保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなどの専門家が在籍しています。
どこに相談していいか分からない最初の段階ですべての相談を受け止めてくれる場所です。
相談窓口の次に出会う、いわば「介護サービスの司令塔(マネージャー)」です。
ご利用者様やご家族の困りごとや「これからどう過ごしたいか」という希望を聞き取り、一人ひとりに合わせた「ケアプラン(介護計画)」を作成します。
どのサービスを週に何回、どこの事業所にお願いするかを采配し、すべての連絡調整を引き受ける非常に重要な役割を持っています。
ケアマネジャーが立てたプランに基づき、実際に「現場で専門的なケアを行う実動部隊」です。
主治医(医師)の指示のもとで、看護師やリハビリ職(セラピスト)が定期的にお宅へ伺い、お薬の管理、病状の観察、床ずれの予防、リハビリテーション、医療処置などを行います。
では、具体的にどのような流れで私たち訪問看護が皆様のお宅へ伺うことになるのでしょうか。
具体的なリレーの様子を見てみましょう。
「最近、足腰が弱って自宅での生活が心配になってきた…」
まずすご家族やご本人が、地域のあんしんケアセンターへ相談に行きます。
センターの職員が状況を聞き取り、介護保険の申請手続きなどをサポートします。
「これからの生活を支える全体の計画を立てましょう!」
あんしんケアセンターから話を引き継いだケアマネジャーが、ご自宅へ伺います。
ご本人の病気や体の状態、生活の課題を分析し「自宅で安全に暮らすためには、プロの看護師の目やリハビリが必要だ」と判断した場合、ケアプランに訪問看護を組み込みます。
「ケアマネジャーさんの計画に基づき、現場のスタッフが伺います!」
ケアマネジャーから「あみ訪問看護ステーション」に依頼が入ります。
私たちは主治医から『訪問看護指示書』をいただき、ケアマネジャーが立てた計画に沿って所属するプロの看護師やセラピストが具体的な看護やリハビリをスタートします。
このリレーの舵取り役であるケアマネジャーですが、実は最近、福祉の専門家の間でもその「立ち位置」や「あり方」について深く議論されています。
ケアマネジャーは法律に基づく重要な専門職ですが、その歴史を紐解くと2000年の制度創設期に「急激に増える要介護者に対応するため、とにかく早くたくさんの人数を確保しなければならない」という背景がありました。
そのため、医療の専門職(医師や看護師)から介護・福祉の専門職まで非常に幅広い基礎資格を持つ人たちに門戸が開かれたのです。
これには「多角的な視点を持ったケアマネジャーが集まる」という良さがある一方で、そのケアマネジャーが「医療」をベースにしているか、「福祉・生活」をベースにしているかによって提案や価値観にばらつきが出やすいという課題も抱えています。
本来、ケアマネジメントとは「ケースワーク・ソーシャルワーク」という純粋な福祉の専門領域です。
そのため、今後はより専門性を高め若い世代や福祉の専門教育を受けた人たちが、新卒からでも活躍できるような仕組みづくり必要だと言われています。
私自身、訪問看護ステーションの代表(経営)という立場でありながらケアマネジャーとしての視点を持っているからこそ福祉の専門職たちが繋いでくれるバトンの重みや多職種が連携する重要性をより客観的に、そして深く実感することができます。
ケアマネジャーさんがそれぞれの専門性を発揮して繋いでくれたバトンだからこそ、ステーションの看護師やセラピストたちと共有し現場で質の高いケアとしてご利用者様に還元していく責任があると感じています。
「介護が必要になったけれど、何から始めたらいいかわからない」
「医療的な処置が必要と言われたけれど、家で看られるかしら…」
そんな不安が過ったときは決して一人で、あるいは家族だけで抱え込まないでください。
まずは地域の「あんしんケアセンター」の門を叩いてみてください。
そこから頼れる「ケアマネジャー」に繋がり、私たち「訪問看護ステーション」が皆様のチームの一員としてお宅へ駆けつけます。
私たちは、偶然現れた親切な個人ではなく地域の医療・介護ネットワークという強固な仕組みに守られたプロフェッショナルなチームです。
住み慣れた我が家で、あなたらしく笑顔で過ごせる毎日を私たちは一丸となって支えてまいります。